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盛岡市認定ロールモデル企業

株式会社GRCS

「GRC専業企業としてGRC &セキュリティの専門人材が多数在籍。10年以上の実績に基づく豊富なデータとノウハウを活用。東京証券取引所に上場承認され、2021年11月18日にIPO。

Story

1.GRCS:逆境をバネに世界へ挑む
ロールモデル企業

GRCSの原点は、2008年の創業期に起きた「組織崩壊」から始まります。当時「Frontier X Frontier」という社名で、教育、地方ビジネス、ITの3本柱で事業を展開していましたが、共同経営者との対立によりIT事業部門が独立。12人の社員のうち11人が離脱し、残されたのはたった1人。売上は9000万円から3000万円に激減するという、まさに会社の危機でした。しかし、この危機こそがGRCSの原点となります。アメリカで出会ったGRC(ガバナンス、リスク、コンプライアンス)という概念に事業転換を決断。そこでの新しい出会いをきっかけに、GRCのコンプライアンスデータベースを扱うチャンスを得て、GRCSとして再出発しました。その後も順風満帆とはいかず、2011年の東日本大震災、岩手での大規模採用による経営難、シンガポール進出の失敗など、数々の試練がGRCSを襲います。しかし、2014年の大赤字を機に管理部門の田中氏が入社し、上場準備体制が整い、2016年のシンガポール撤退時には資金調達に成功するなど、逆境をバネに成長を遂げました。SaaS戦略でのクラウドサービス展開が伸び悩む中、人材カンパニーへの方向転換という大胆な戦略転換が功を奏し、2021年に東証マザーズ(現グロース)市場への上場を果たしました。

Vision

2.GRCS佐々木慈和社長の原動力と
リーダーシップ

GRCSの佐々木慈和社長を突き動かす原動力は、「やると言ったからにはやる」という揺るぎない責任感と、「恩返し」や「感謝」の想いからきています。この強い信念は、創業当初から今日に至るまで一貫しており、幾多の挑戦を経て会社を成長させる原動力となってきました。佐々木社長は、困難を恐れず、新しいことに果敢に挑戦し続けることで、企業を進化させ、未来を切り拓くリーダーとして活躍しています。

社員から「ブレーキのない車に乗る人」という声があるという佐々木社長。その表現どおり、限界を設けず、エネルギッシュに前進する姿勢が特徴です。このリーダーシップは、単に自身を突き動かすだけでなく、周囲を巻き込み、あらゆる壁を突破する力へと昇華しています。佐々木社長の熱意と行動力に触発され、多くの社員がGRCSの一員として困難な状況を乗り越えてきました。その背景には、佐々木社長がサンフランシスコ留学中に得た異文化体験が大きく影響しています。この体験を通じて培った「地図を変えてみる」という発想は、固定観念にとらわれず、新しい視点から物事を見つめる柔軟な思考をビジネス戦略に活かす原点となっています。常にグローバルな視点を持ちながら、ローカルと世界をつなぐ橋渡し役としての役割も果たしています。

GRCSの組織文化は、「自由と責任」。そして「Grow(成長)、Respect(敬意)、Commit(責任)、Smile(笑顔)」という行動規範のもとに構築されています。この文化の中で、社員一人ひとりが自らの成長を目指し、他者を尊重しながら、責任感を持って笑顔で仕事に取り組むことが奨励されています。佐々木社長は、社員一人ひとりの個性や能力を尊重し、それらを最大限に引き出すことに尽力しています。社員が自由に創造性を発揮しつつも、全員が責任を共有するこの文化が、GRCSの持続的な成長を支えています。 さらに、佐々木社長のリーダーシップと熱意は、社員のみならず関わる全ての人々に影響を与え続けてきました。

Business

3.アメリカ最先端のGRCモデルを日本市場に最適化

GRCSのビジネスモデルは、アメリカの最先端モデルを「地図を変えてみる」戦略で日本に導入することを基軸としています。この戦略は単なる模倣ではなく、日本の市場環境や顧客ニーズに最適化することを重視しています。GRCSは、日本市場ではまだ黎明期のGRC(ガバナンス、リスク、コンプライアンス)分野に着目し、海外の先進的なコンプライアンスデータベースやノウハウを国内に導入することで、日本企業がグローバル基準に準拠したリスク管理体制を構築するサポートを提供しています。

具体的には、当初は海外GRCソリューションを日本向けにローカライズして提供していましたが、SaaSクラウドサービスの伸び悩みを受け、単なるシステム提供では顧客の課題解決に限界を感じ、人材カンパニーとしてGRC専門知識を持つ人材によるサービスを強化しました。これによって、顧客企業はGRC専門家の育成コストや手間を削減し、GRCSの豊富な知見を活用して効果的なリスク管理体制を構築できます。

さらに、GRCSは「Enterprise Risk MT」というISO31000準拠のERMツールを提供し、リスクの可視化やコミュニケーション改善を支援しています。人材、プラットフォーム、コンサルティングの三位一体サービスで他社と差別化し、日本のGRC市場で確固たる地位を築いています。金融機関や上場企業への導入実績も豊富で、高い専門性と実績が市場で高く評価されています。また、海外のGRC動向にも注目し、最新技術やノウハウを積極的に取り入れ、常に最先端のサービス提供を目指しています。

Team

4.GRCSのチームの魅力

GRCSの組織文化は、「自由と責任」という二つの柱で成り立っています。9時5時といった固定的な勤務体系は存在せず、フルフレックス制度とフルリモートワークを積極的に導入することで、社員一人ひとりが時間や場所に縛られることなく、最大限のパフォーマンスを発揮できる環境を整備しています。社員を信頼し、自律的な働き方を尊重するGRCSの姿勢が明確に表現されています。

社員は、それぞれの裁量で仕事の進め方を決定し、自ら課題を発見し、解決していくことが求められます。この主体性を尊重する文化は、社員の成長を加速させるだけでなく、組織全体の創造性を高める原動力となっています。先ほど紹介したGRCSの行動規範である「Grow, Respect, Commit, Smile」は、この組織文化を具現化したものです。社員は常に成長を追求し(Grow)、互いを尊重し(Respect)、責任感を持って業務に取り組み(Commit)、そして笑顔を忘れずに仕事をする(Smile)ことを大切にしています。

社員からは、「自分のペースで成長できる」「場所や時間にとらわれず、柔軟に働ける」「自身の裁量で仕事を進められるため、やりがいを感じられる」といった声が聞かれます。これらの声からも、GRCSの組織文化が、社員の満足度と成長を両立させていることがわかります。創業期からの苦楽を共にしてきたメンバーが多いことも、GRCSの大きな特徴です。強い絆で結ばれたチームワークは、困難な課題にも共に立ち向かい、乗り越えていく強い推進力になっています。個々の才能を尊重し、自由な発想を奨励するGRCSの組織文化は、多様なバックグラウンドを持つ社員たちが、それぞれの個性を活かし、新たな価値を生み出すことを可能にしています。単に「自由」なだけでなく、「責任」を伴うことで、社員一人ひとりの成長を促し、組織全体の力を高めているのです。  

Impact

5. 社会への貢献とインパクト

GRCSは、「世界地図を一つにする」という壮大なビジョンを掲げ、テクノロジーと専門知識を駆使して、場所や時間に縛られない、誰もが自由にビジネスを展開できる社会の実現を目指しています。このビジョンは、単なるビジネスの成功にとどまらず、グローバルな視点を持って社会全体をより良くしたいという強い意志の表れです。 GRCSが事業の中心とするGRC(ガバナンス、リスク、コンプライアンス)の分野では、企業が持続可能な成長を遂げるための基盤づくりを支援しています。GRCSは、コンプライアンス体制の構築にとどまらず、リスクマネジメントの高度化、内部統制の強化、企業文化の醸成など、多岐にわたる側面から企業の健全な成長をサポートしています。これは、企業が社会からの信頼を得て、長期的に成長していくためには、GRCが不可欠であるという考えに基づいています。

また、GRCSは、日本国内の企業がグローバル基準に準拠したリスク管理体制を構築することを支援することで、企業の国際競争力強化に貢献しています。特に、中小企業やスタートアップ企業など、GRCの専門知識やリソースが不足している企業に対して、手厚いサポートを提供しています。これにより、日本の企業全体のガバナンスレベルの向上に貢献しています。

GRCSの社会貢献は、単に企業向けのサービス提供にとどまりません。GRCSは、地方創生にも積極的に取り組んでおり、本社を置く岩手県での雇用創出や地域経済の活性化に貢献しています。また、次世代を担う人材の育成にも力を入れており、インターンシップの受け入れや、大学などでの講演活動を通じて、若い世代の成長を後押ししています。 GRCSは、事業を通じて社会に貢献し、持続可能な社会の実現に貢献することを目指しています。企業の健全な成長を支えるGRCの重要性を広く社会に啓蒙し、社会全体がより良い方向へ進むための原動力となることを目指しています。

Yell

6. スタートアップ企業へのエール

GRCSの佐々木社長は、スタートアップ企業に対して「とにかく諦めないこと。続ける限り負けません。GRCSがそうだったように、多くの困難に直面しても、諦めずに挑戦し続けることで道が拓けていきます。そして、やらないことを決めることも必要。」というメッセージを送っています。GRCSの成長は、まさに「諦めずに挑戦し続けた結果」であり、多くのスタートアップ企業にとって大きな励みとなります。GRCSの挑戦の歴史は、スタートアップ企業にとってのまさにロールモデルとなるでしょう。

Partner

7. パートナーシップとネットワークの力

GRCSは、ビジネスにおける成功を、単独の努力だけでなく、多様な人々との繋がりによってもたらされるものと捉えています。ビジネスの場だけでなく、プライベートな関係性も重視し、純粋な人間同士の繋がりを育むことを大切にしています。この考え方は、GRCSが困難な時期を乗り越え、成長を続けてきた要因の一つと言えるでしょう。

佐々木社長は、EO(Entrepreneur Organization)やIIB(一般社団法人岩手イノベーションベース)といった異業種が集まる起業家コミュニティに積極的に参加し、様々な業界の経営者や専門家と交流しています。これらのコミュニティでは、互いの知識や経験を共有し、新たなビジネスのヒントやチャンスを得ています。また、コミュニティでの出会いを通して、企業間の連携や協業が生まれることも少なくありません。

佐々木社長は、オープンイノベーションの重要性を強く認識しており、ビジネス以外のコミュニティで得た縁が後に事業を助け、伸ばしてくれると言います。他企業やコミュニティとの連携を活発に行うことで、自社だけでは成し得なかった新たな価値創造や、事業の可能性を大きく広げています。これらの活動は、GRCSが単なるGRCの専門企業としてだけでなく、様々な分野でイノベーションを起こす企業として成長していくための重要な要素となっています。

Funds

8. 資金調達と成長戦略の秘訣

GRCSの成長に絶対に欠かせなかったのが、戦略的な資金調達とそれを最大限に活かした成長戦略です。2016年、GRCSは地場の投資ファンドである「いわぎん事業創造キャピタル」から、5,000万円の出資を受けることに成功しました。この資金調達は、GRCSにとって大きなターニングポイントとなり、その後の事業拡大を大きく加速させることとなりました。

この最初の資金調達以降、GRCSはニッセイ・キャピタルをはじめとする複数のベンチャーキャピタルや投資家から、累計4.4億円の資金調達に成功しています。この資金は、人材採用の強化、マーケティング活動の拡大、プロダクト開発の加速など、GRCSの成長戦略を推進するための重要な資金となりました。

佐々木社長は、地元岩手との繋がりを非常に大切にしており、それが資金調達においても大きなアドバンテージになったと語っています。地元金融機関や地域経済を支える人々との信頼関係が、GRCSの成長を力強く後押ししたと言えるでしょう。 GRCSは調達した資金を、人材、マーケティング、プロダクト開発といった成長に不可欠な分野に戦略的に投資することで、企業価値を最大化してきました。 最初の調達がなければ、その後の事業拡大や、2021年の東証マザーズ(現グロース)市場への上場は実現できなかったでしょう。

Reason

9. 岩手県、盛岡市への想いやロールモデル企業を引き受けた理由

佐々木社長自身が岩手県岩泉町の出身であり、地方だからこそ得られる独自の強みや可能性を深く理解しています。そのため、GRCSは創業当初から、地域との繋がりを非常に大切にしてきました。2024年4月には「盛岡市行政デジタル・トランスフォーメーション推進計画」の推進にあたり盛岡市地域活性化起業人として社員が着任しています。 佐々木社長は、岩手という土地柄が持つ特有の人脈、ネットワーク、コミュニティを重視しています。地元の金融機関や経済界との確かな信頼関係が、GRCSの資金調達を支え、事業展開における様々なビジネスチャンスへと繋がってきました。また、これらの繋がりは、GRCSが地域社会に貢献するための活動においても、大きな推進力となっています。 GRCSは、一般社団法人岩手イノベーションベース(IIB)の設立にも深く関与し、地域経済の活性化に積極的に取り組んでいます。IIBは、岩手県内の企業や起業家を支援するプラットフォームとして、地域経済の活性化に貢献しています。GRCSの地域への貢献は、ビジネスの成功だけでなく、地域社会全体の発展に貢献したいという強い思いに基づいています。 GRCSは、岩手県出身の企業として、盛岡のスタートアップ企業にとって、最も身近で具体的なロールモデルとなることを目指しています。創業から上場までの道のりで培ったノウハウや経験を共有することで、岩手県内の若い起業家やスタートアップ企業を育成し、地域経済のさらなる発展を牽引したいと考えています。

佐々木 慈和

1976年岩手県に生まれる。2002年、日本ヒューレット・パッカード株式会社へ入社し、セキュリティコンサルティング業務へ従事。2005年3月、Frontier X Frontier株式会社を設立(現 株式会社GRCS)、代表取締役社長に就任。2009年よりGRC(ガバナンス、リスク、コンプライアンス)専業パイオニアとして事業を開始。2013年にはセキュリティ事業を開始し、2021年 東証マザーズ上場、2022年東証グロース市場へ市場区分移行。2001年南カリフォルニア大学コンピューターサイエンス学科を卒業し、スタンフォード大学ビジネススクールでExecutive Programを修了(2022年)。
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